思えば遠くへ来たもんだ

思い立ったが吉日 インドで働くことになった日本語教師。
「日本語が教えられれば大丈夫」と言われて来た町は、英語も通じない。
果たして3年の契約を無事に全うできるのか???

引っ越しにまつわるエトセトラ その7

搭乗口に向かうとインド人にしてはほっそりとした小柄なグランドホステスが近寄ってきた。

「マダム 搭乗券を見せて」


搭乗時間にはまだ間があるのに、私を見つけた途端に声をかけてくるとは、

怪しいJapanese扱いか?

搭乗券を受け取るとPCをチェックし、どこかに電話をかけた。すると男性係員登場。搭乗券を持ってついてこいと。

空港のバッグヤードを抜け、台帳をチェック。そこの係員からチケットにスタンプを押された。

その文字はなんと「canceled」

えっ、なんでぇー

と思う間もなく、ここの先の階段を降りてチェックインカウンターへ行けと。

この後に及んでチェックインカウンターってなんだよ。

指定されたカウンターに行っても誰もいない。もう搭乗開始時間。

おいおい。近くにいた係員に尋ねてみると、またどこかに連絡し、仕事出来そうな男性スタッフ登場。

彼についていけと。

またもや、空港のバッグヤード。しかも奥の小部屋に通されると、そこにはさっき€7000払った私のスーツケースちゃんが。


ちょっとコワモテのおっちゃんに、「何か電池製品を持ってないかい?スーツケース開けてくれる?」


ええ、昨日必死の思いで無理矢理閉めたこのスーツケースを開けるの??

1番恐れていた事態。

でも仕方なく開けて、X線でwarningとされた部分をチェック。

乾電池の8本パックがあった。

「これですか」

「いいや、これは問題ない」

じゃ、まさかと思うけどデジカメ?

「それも違う」

えっ、もうホントに心当たりないよ。


すると、ケータイバッテリーチャージャーが出てきた。

そうだ、最後に雑に押し込んだんだっけ。

「これは君の手荷物に入れておきなさい」

はーい、スミマセン。


で、犯人は確定したので、じゃあ閉めてヨシということになったけど、

閉まらないんだな…これが。


おっちゃんと二人掛かりで上に乗り、何度かトライ。

やっと、ロック成功。

おっちゃんから握手を求められ、「Have a nice trip」

やれやれ。荷物はそこで預け、また手荷物検査と身体検査。

一度やったんだから、いいじゃねーかと思いつつ、融通の利かないインド人。一通りやって、最終のご案内に間に合った。

搭乗口に行くと、先程のグランドホステスから「大丈夫だったのね」とクールに言われ、やっと飛行機へ。


ここまででもうグッタリ。

でも、まだカルナータカから出てないのよ。


何度も開閉されたスーツケースさん