思えば遠くへ来たもんだ

思い立ったが吉日 インドで働くことになった日本語教師。
「日本語が教えられれば大丈夫」と言われて来た町は、英語も通じない。
果たして3年の契約を無事に全うできるのか???

AhmedabadのFRROは超厳しい。

去年Mysoreに来て、初めてFRRO(Foreigner Regional Registration Office)に行った時は、窓口に書類を出して、十日程度で外国人登録証をもらった。

転出するときも、普段持ち歩いてたコピーに転勤のためと一言書き添えただけで、終わった。


ところが、Ahmedabadへ来て2ヶ月になるのに、まだ申請がおりない。

すでに五回ほど行ってるのに…


そして、今回officerとの面接。

えっ?そんな話聞いてないよ。


松重聡さん風(もちろんインド人)のofficerが重々しく、

「で、君の仕事は?」

なんで書類に書いてあることわざわざ聞くんだろうと思いつつ、

「企業内での日本語教師です」と。

ふん。書類は間違いではないなという納得した様子。

ところが、次の質問によってこの後大騒ぎに….


「で、君の1ヶ月の給料は?」

へっ、給料?

額面は€38.000ぐらいだっけ?

なんか毎月いろんな天引きがあって額が一定じゃないんだよね。

€35.000は確実にもらってるかなぁと思い、

「約€35000です」と答えた。

すると、松重さんがおやっ?という顔をして

「ここには1lakh 4500と書いてあるけど」

1ラックだと?

そんな大金もらったことない。

1lakh4500なんて年収並みじゃないの?→それはないか


すると、松重officerはウチの事務の子に何やら伝え、「またあとで」と。


部屋を出た途端、事務の子から「センセイ ダメです。申請書にはセンセイのサラリーは1ヶ月1lakh4500と書かれているので、次同じこと聞かれたら、そう答えて下さい」

そんなこと知らないもん。

だいたいなんで申請書には1lakhなんて嘘っぱちの数字が書かれてるんだよ。

納得がいかないまま、しばし待つ。


再度呼ばれ、部屋に入る前に事務の子から「センセイ、さっきは手取り額で住居費やその他諸々inclusiveすると1lakhと言ってください」と耳打ちされた。

ハイハイ。


再度面接。

また「で、君のサラリーは?」

「あっ、えー1lakh4500です」

松重「君はさっき€35.000と言ったよね?」

「あのーそれは、ちょっと勘違いしておりまして、家賃など含めると1lakh45000でした。てへっ」とごまかしてみたものの

松重officerの目は誤魔化されない。

パラパラと書類に目を通して、事務の子に

「君の会社がどんな会社かわからないけど、ダメだね」と。


そそくさと撤収。事務の子に

「ねぇ、私っては強制送還されるのかな?」

「かもしれません」

OMG!!

帰れるのは嬉しいけど、強制送還ってカッコ悪っ、っていうか今後渡航できなくなるんじゃ…そりゃ困る。


会社に戻り、事務の子から支店長へ報告。

私は授業に戻った。


夜ケータイに副社長から着信が。

あっ、そういえば日本でVISAの申請の時書類が二種類あって、VISAの申請の方には確か1lakh4500となっていて、

本当の給料は€38.000だから…といわれ、給料の金額の違う二種類の書類を渡されたんだ。


そのときはよくわからず、言われたままインド大使館でVISA用の書類を提出し、何事もなくVISAは発行された。


それにしても、この金額の差も解せないし、嘘をつくのも解せない。

あー、私にもっと語学力があれば、「こんな書類嘘っぱちです。あの会社はケチなので、こんなにくれない」と訴えたいところだ。

副社長からは「とにかく先生のサラリーは1ヶ月1lakh4500ということでお願いしますよ」と。

はあ。

翌日今度は事務の子じゃ通訳にならないので、支店長が自ら同行することに。この支店長も「じゅうごぷん」とか「じゅうよんにち」っというレベルの人なので、とても通訳になるとは思えんが。

また松重さんのところに行って面接。

支店長が松重さんの質問を拙い日本語で訳してくれ、サラリーは1ヶ月1lakh4500と答えた。

その後松重さんは支店長に事情聴取。

「お前は何者だ」とか「会社はどんなんだ」など。挙句の果てに「今度事務所見に行くからな」と。

よっぽど疑われてるね。


面接後、支店長も「彼は相当厳しいね」と。

そこで、既に気分は退職モードの私。

副社長と支店長に

「これ以上FRROに行くのも負担ですし、何より授業に穴をあけてしまうので、今後FRROでの手続きが長引くようであれば、滞在期限がきれた時点で帰国します。」と、伝えた。


「いや、センセイ こちらもいろいろ考えていますから。」


いや、私ももう嘘つくのイヤだし、そんなことさせる会社もイヤだし…

正直言って、強制送還でも構わないからもう辞めさせてくれ〜


でも人手不足のこの会社、なかなか辞めさせてくれない。

どうやったのか知らないけど、松重さんからの査察を受けることなく、無事に登録完了。そして居住者としてriqure permissionもゲット。


嬉しいような悲しいような。

とりあえずしばしの残留決定。


なんとかがんばってみます…


日本の在留カードのようにちゃんとしたものならいざ知らず、こんな紙切れ一枚のためにどんだけ苦労したことか…


もう、外国人受け入れるなよ!