思えば遠くへ来たもんだ

思い立ったが吉日 インドで働くことになった日本語教師。
「日本語が教えられれば大丈夫」と言われて来た町は、英語も通じない。
果たして3年の契約を無事に全うできるのか???

もう一花咲かせますか???


DOUBLE / 残り火 - eternal BED -



毎日Skype授業で姿を見ているものの、教え子くんロス状態。

彼の席が空いているのを見る度に切ない。


そんな時、ふと彼から「先生は子供は欲しくないの?」と聞かれたことを思い出した。

20年前に娘を死産し、その際に母体を守るために子宮を摘出しているので、もう子供は望めない私。

自分の子供を持つことが夢だった私は美術系の大学での卒業制作にゆりかごを作ったほどなので、我が子を抱けないという事実は受け入れ難く、ずっと葛藤があった。


その当時から、ずっと気になっていたのが「代理母」

亡き夫にも相談したが高額を理由に取り合ってくれず、頼みの姉もイマイチ乗り気ではない。

そんな時に某有名人夫婦の件があり、日本ではタブー視されるようになってしまった。


カウンセリングを受けたり、心療内科に通院したり、はたまた自暴自棄で不倫に走ったり…自分自身がこの身体と宿命に納得するのにだいぶ時間を要した。


ところが数年前タイで日本人男性が複数の代理母を利用して自分の子供を産ませたという事件を耳にしてから、また私の気持ちが揺らぎ始めた。

アメリカでは数千万と言われる代理母への報酬と医療費もアジアでは数百万程度とのこと。

出せない金額ではない。


でも既に夫も亡き後で、今度は精子を提供してくれる人がいない。

世の中ってうまくいかない。自分の年齢もあり、精子バンクなどもちらっと頭をかすめたが、自分自身が産めないのなら、せめて好きな人の子供が欲しいと思い、諦めた。


インドへのVISA申請の際、「外国人で代理母を希望する者云々」との注意を目にしたが、もう自分には関係ないことと思ってた








だけど、ここにきて♪恋しちゃったんだ〜♬

思い立って、ネットを検索。

インドで外国人夫婦の希望による代理母は法律で禁じられたらしい。


でも、実際には貧困に苦しむ女性が闇で行っているそうだ。

闇といいながらもagentがあり、妊娠中は代理母の家という施設でしっかりケアしてくれるらしい。


ほぉ、それならば…とさらに検索。

なんとインドで代理母ビジネスが今も多く行われているのは彼の住む街ムンバイ!

これは行かねば!

彼の子なら、一人でも頑張って育てる。

しかも今私はインド在住だから、VISAの問題もないはずだし、仕事を続けていれば収入もあるし、仕事中は乳母を雇えばいいと妄想が暴走しまくり。


でもこんな小難しい話、私の拙い英語と彼の日本語では解り合えないよねぇ。



代理母は大変sensitiveで倫理観から否定的な方もいらっしゃるとは思いますが、私のように病気で子宮を摘出されてしまった人間には切実な問題ですので、ご理解くださいませ。